第670回長崎放送番組審議会
第670回長崎放送番組審議会
1.開催日時 令和8年9月7日(月)13:30~
2.開催場所 長崎放送本社ビル 10階 役員会議室
3.委員の出席(敬称略)
糸屋委員長 内海委員 髙村委員 菅委員
船橋委員 永江委員 山口委員 栗山委員
(欠席) 森永委員長代理 金澤委員
4.社側出席者 代表取締役社長 東 晋
取締役業務局長 山中 勝司
執行役員報道メディア局長 中島 三博
報道メディア局 報道制作部 早田 紀子
(事務局)
業務局編成部長 米村 仁士
総務技術局総務人事部 光山 耕二
5.議題
(1)開会
(2)社側挨拶
(3)審議
テレビ番組『Pint被爆81年スペシャル Fromナガサキ~未来へつなぐ~』…令和8年8月9日(日) 16:00~16:30 放送分
(4)閉会
6.議事概要
長崎放送は9月7日(月)第670回番組審議会を開いた。
冒頭、東晋社長は、酷暑で長崎市では8月の最高気温の平均が34.6℃と、1878年の観測開始以来およそ150年間で最も高くなったことと同時に、同月の降水量がわずか3ミリだったことに触れ、佐世保での減圧給水制限をはじめとする県内の水不足への不安を伝えた。また、熊本地震、千葉や北陸三県の大雨災害、海外ネパールでの大規模土石流にも触れ、報道機関として緊張感をもって災害に備える必要性に言及した。このほか、お盆期間中に開催したVIVANTキャラバンが好評だった事と、愛知・名古屋アジア大会への期待を述べた。
【番組審議委員の主な意見】
・通常放送のローカル番組内に特番を盛り込んで、非常に誠実な番組だった。現代の若者に向けて、今の現実を伝えていたと思う。被爆を未来に継承していく人へのフォーカス、その記憶を受け取った若い世代が、未来へどう伝えるかがポイントとなっていた。放送として視聴者に伝える工夫も良かった。丁寧な取材と、老若男女にすっと入っていく放送内容がよかった。人間の鎖をつくって意思表示をした若者たちに、未来への希望、次の世代につなげていくという意図を感じた。被爆の記憶を未来へ伝える意味でよかった。若い世代へのアプローチをしっかりしたことは評価できる。当日取材した内容も盛り込まれており素晴らしかった。
・過去の悲惨さを伝えるだけでなく、次の世代に如何に伝えていくかという事を取材した番組だった。 一人一人の人生として被爆の経験がどうだったのか、という取材が良かった。被爆の「数の認識」ではなく、被爆の「事実(真実)」をよく理解できた。平和学習を次の世代への課題としており、若い世代にもその想いが届いたのではないかと感じた。被爆から時間がたって、現代の「社会」を感じ、その当事者意識が強くなる番組だった。横山さんの話を最後までじっくり聞きたいと思った。今の苦しみをもっと知りたいと思った。こんな特集が県外の方々にも伝わればいいと思った。「夾竹桃の歌」一つとっても、現在知らない人が多くなっている。日本全体が被爆国として問題を認識していかなければならないと感じた。
・鈴木市長の演説は言葉が強く、心に残るメッセージだった。半面、高市さんのご挨拶は長崎の被爆地にいる人と、それ以外の日本全国の人たちとの心の距離を感じた。日本全体として、原爆に対する思いが希薄になっているようにも感じた。番組では、被爆経験者の人生に照準が絞られており、被爆後の苦しみが伝わってきた。被団協の皆さんがそのことをどう伝えていくかという伝え方の変化・努力も感じた。私は長崎にいるので理解しているし、感じることができるが、他県にいると考えないかもしれない。実際、他の都市の皆さんは原爆に対し無知なイメージがある。現地に赴かないとやはりわからない事がある。そういった人たちの意識を今後どうしていくか。一方で、わざわざ長崎にきてそれを考えてくれる人がいる。そういった意味でこの放送を、どういう視聴者が、どんな気持ちで観てくれているか気になった。
・ちょうど当日は千葉出張で長崎にいなかった。関東では当然、番組では扱っていなかった。やはり、被爆地とそれ以外の地域では受け取り方、扱い方が違うのだなと感じた。
吉田さんの被爆の火傷の写真にリアリティを感じた。平和の原点とは人の痛みがわかる事、このメッセージは心に響いた。若い子たちのメッセージも同じように感じた。原爆落下中心地碑の人間の鎖もそう感じた。ニュースになった若い子たちが、今後も伝承活動を継続していくのかどうか、その辺も知りたい。核兵器のない社会を目指すのであれば被団協は永遠に続く。被爆者のためだけだったら最後の一人がお亡くなりになったら終わる。そう感じた。自分でも考えるきっかけとなった。政府に関しては、決められた内容以上は言及できない部分もあると思うので、番組的にバランスをもってうまく伝えていたと思う。「内部被爆」に関してはもう少し詳しく紹介してほしかった。
・経営するホテルで、従業員と20年間、千羽鶴を折って送ってきたが、3年前にやめた。従業員のなかに海外の人が入ってきて、いろんな意見が出たのが要因。日本人と違う考え方もあるようだ。これから未来に向かう中で、世論も変わっていくと思う。核兵器持たないということがこれまではイデオロギー化してきたが、今後ナンセンスになる可能性もある。長崎・広島の発信に当時ほどの重みがあるかどうか怪しい時代になってきている。核兵器を持っていたから反撃されない、攻撃されない、という事実。これは確かにあると思う。海外(アメリカ)で発刊された本では、日本は同盟国ではなく保護国となっている。日本語訳は同盟国となってはいるが。アメリカの核の下での平和があるのかもしれない。こんな中で被爆をどう考えていくのか。市長の発言は相当の決断だったと思う。核兵器は絶対悪という話が出た。アメリカは特攻(命がけ)等を照らし、日本は絶対悪だという事になっていた。絶対悪とは、ファシストが使う言葉。ここで答えはでないが考えていくべき。警察は丸腰でいいのか、と同じ理屈。SNS等の中では、逆の意見が多いと思う。この番組の反響も教えて欲しい。
・佐世保生まれ佐世保育ちなので、平和の受け止め方が、長崎の皆様とは違うなと昔から思っていた。長崎県はカオスな県だといわれたことがある。スタバとか飲食店もアメリカ人が多い。佐世保からすると米軍は日常。長崎市の高校生の平和活動なんかを見るとそのギャップを感じる。県内での感覚の差異が大きいと思う。そんな中この番組を見た。まず、NBCの強い意志を感じた。アナウンサーの服装。最近のアナウンサーはスーツですらないことが多い中、しっかりと喪服のようなスーツ。だから余計目立った。事実と記憶という時代から、歴史に変わっていくフェーズだと感じた。今まで生きてきた中で、現在は戦争が最も身近な時代になってきたので感じることも違うと思う。例えば、シビックプライドの話。シビックプライドは作るものではなく、醸成されるもの。点で与えるのではなく継続性をもって自然と血肉になっているものがシビックプライドになっているのだと思う。学生さんと被爆者の間(中間層がない)。学生さんは今だから
やっているのか?恒久的にそう思って継続していくのか?東京で原爆の話がされていないことを報道するとどうなるのか?と疑問は尽きない。日本の防衛も変わっていく。しっかり考えていかなければいけない。
・30分の中で凝縮した内容だった。見ている人には難しかったのではないかと思う。被爆者の高齢化や被団協の今後をよく取材していたと思う。見ている人に考えさせる番組だったと思う。被団協の中でも解散の危機がある事を知った。被団協はずっと永遠にあるものだと思っていた。被爆者のメッセージにも様々なものがあった。一方で、番組の放送時間が短いので発言を遮る形になった事が気になった。8/9は県外の方も多いので、言葉(スーパー)の解説を入れてもらえるともっとよかったのではないかと思う。平和報道を長くされていると思うが、被爆地しかできない事、NBCの取り組みは大事。今後も続けていって欲しい。
・番組自体は、短時間でよくまとめられていたと思った。事前の取材の賜物だと思う。若い人(NBC社員の若手という意味)で制作した事も良かったと思う。今までのNBCとまた違う感性で制作されていたと思う。今の30代40代は被爆をどう思っているのか。自分が子供のころには高校生がこんなに活動していなかったと思う。この活動が将来までどのようにどう続いていくかはわからないが、継続すると信じている。小さい子供が被爆者の言葉を聞ける。そのきっかけをこの番組が作っているという風にも思った。大事なこと。佐世保は守る平和、長崎は祈る平和、平和にもいろんな多面性があると思う。
早田(NBC制作者)
たくさんのご意見ありがとうございます。どれもいろいろな経験に基づく言葉でありがたい。皆様の言葉の中にいろんな気づきが持てた。今回の取材で、被団協・被災協にも、いろんな違った面が見えてきた。被爆者の方がいなくなっても、残った人間にいろんなものが託されているのではないかと思った。現在、被災協でも語り部の後継者作りが始まった。こういう動きの取材をこれからも続けていきたい。とにかく取材したものを数多く伝える。ネットでも放送できるようになったので、そこでも一つ一つ出していきたい。
以上
