長崎市の幼稚園で、幼い園児たちに平仮名を教えている先生がいます。

加藤重美さん９０才。豊かな白髪を束ね、背筋が伸びた姿からは戦前に生まれた世代であることを感じさせないパワーがあります。ひ孫ほど歳の離れた教え子たちからは加藤先生と呼ばれています。専業主婦だった５０歳のとき、孫に美しい字の書き方を教えてあげたいと書道を始めました。師範となり、縁あって近所の矢上幼稚園で指導を続けて２８年。加藤先生は小さな教え子達とのかかわりを生きがいに暮らしてきました。大きな病気もなく、まだまだ元気な先生ですが、身体を心配した娘からは引退をすすめられていました。幼稚園での指導に区切りをつけると決めた今年、最後の授業で先生は子供達にあるメッセージを伝えました。教室の傍らには、同じ幼稚園で働く孫ゆいさんの姿も。園児たちが先生に贈ったサプライズのプレゼントとは・・・９０歳の卒園式です。