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村山 仁志
2016/12/12

とても観て頂きたい映画があります。

それは、映画「この世界の片隅に」です。

漫画家・こうの史代さん原作のアニメーション映画。
未見の皆さん、是非ご覧ください。映画史に残る、素晴らしい作品と思います。

私は先日、2回目を鑑賞しました。
2回目にもかかわらず、またエンディング手前から涙が止まらず……( ;∀;)

以下、多少のネタバレを含みますので、この映画を見る予定の皆さんは
読まないでください。
(読んでも映画鑑賞の邪魔にならないよう、気をつけてはいます)

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物語の舞台は戦時中の呉市。広島市から少し離れた、軍港の街です。
私たち長崎県の人間からすると、ちょうど佐世保市と長崎市の関係に似ています。
主人公は、広島市出身の少女・すず。
昭和19年2月、すずさんは18歳のとき、見知らぬ土地・呉にお嫁に来ます。
結婚相手も知らない人です。そういう時代です。
物資がどんどん少なくなっていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓に料理を並べ、
時には得意な絵を描いて、朗らかに暮らしていきます。
やがて戦争末期になり、故郷広島に原爆も落とされ……という展開です。

筋書きだけを紹介すると、「よくある戦争映画」と思われるかもしれません。
でも、この映画は「何か」が違うんです。

エンドロールが終わった後、劇場のあちこちで感想を語り合う声が聞こえてきました。
そういえば、片渕須直(かたぶちすなお)監督がインターネットのインタビューで
「戦争中、もっとあんなこともこんなこともあったと感想を頂く」というようなことを
話していました。
きっと、戦争や原爆を体験した人々は自分の想い出を語りたくなる作品だし、
体験したことがない世代も、自分が感じた何かを伝えたくなる映画なのだと思います。

ひょっとしたら、監督に「あんなこともあった」と言ってくる人の中には、
「原爆映画としては、悲惨な現実の描き方が足りない」と思っている向きも多いのかもしれません。
確かに、「この世界の片隅に」では、原爆の直接的な描写は少ないです。
それは物語の主な舞台が、広島市ではなく呉市だから、ということもあるでしょう。

そしてこの作品は、時代背景が戦時中であるにもかかわらず、
牧歌的とも言えるほどに、ほのぼのした日常のシーンが多い印象があります。
その点、監督は「この映画は、すずさんという個人が体験したことを描いているんです」などと
インタビューで語っていて、私は大いに頷きました。
それでいいんだと思います。
主人公すずさんの視点にこだわっているからこそ、戦争を知らない世代も感情移入出来るのだし、
すずさんへの共感を生み、全国的なヒットにつながっているのではないでしょうか。

この映画を「原爆映画」「戦争映画」とひとくくりにしたくはありませんが、
やはり広島と同じ歴史を持つ長崎のみなさんには観て欲しいと、強く願います。
健気で朗らか、少し夢見がちな主人公・すずさんと数年間、暮らした気持ちになれますよ。
とてもいい映画です。ぜひ。

長文、失礼しました。

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